某食品工場 排水処理施設(練り物工場)
油脂分流入による放線菌対策、曝気量調整による電気代削減事例
- 排水対策
施設概要
- 流入量
- 1,200㎥/日
- 曝気槽容積
- 1,700㎥(標準活性汚泥方式)
- 流入BOD値
- 平均1,000mg/L(前処理設備なし)
- 流入n-ヘキサン値
- 平均100~200mg/L
対策
油脂分流入による放線菌は、微生物活性度向上バイオ製剤『SANA WN-EX』で対策しました。曝気量調整による電気代の削減は、酸素供給量計算より18kwブロワー2台運転で充分な酸素供給と判断し、ご提案しました。
投入量
- 初回1日目
- 曝気槽容積に対して15ppm(1,700㎥×15ppm=25.5㎏/日)
- 2日目以降
- 曝気槽容積に対して1ppm(1,700㎥×1ppm=1.7㎏/日)
※初回はSANA-WN-EXに配合されている微生物の定着・安定化のため、投入量を多くし、その後、有用菌の菌数維持のため、継続添加を推奨。 - 流入n-ヘキサン値
- 平均100~200mg/L
結果
水質分析結果
対策前
顕微鏡写真100倍(フロック拡大像)シーエリア部分(フロックとフロックの間の処理水となる部分)に微細フロックが確認できる。
放線菌:難分解性油脂分が多く流入、低負荷、よく酸化され曝気槽滞留時間が長い環境下で出現、強疎水性成分を含有する性質により気泡が安定することで、水面に浮き、崩れにくい泡を形成する。
分析項目 | 最終曝気槽水 |
---|---|
pH | 6.6 |
n-ヘキサン(mg/L) | 290 |
MLSS(mg/L) | 5800 |
MLVSS(mg/L) | 5500 |
- 汚泥内n-ヘキサン値:2.5%(1%未満が標準値)
- BOD・MLSS負荷:0.12kg/日
※BOD分解は良くできているが、油脂分の蓄積が確認できる状態
対策後(SANA WN-EX投入、曝気調整後)
顕微鏡写真100倍(フロック拡大像)シーエリア部分(フロックとフロックの間の処理水となる部分)に微細フロックが確認できる。
エスピティウス:BOD処理良好、やや低負荷の環境下で出現。
分析項目 | 最終曝気槽水 |
---|---|
pH | 6.5 |
n-ヘキサン(mg/L) | 42 |
MLSS(mg/L) | 4900 |
MLVSS(mg/L) | 4600 |
- 汚泥内n-ヘキサン値:0.85%(1%未満が標準値)
- BOD・MLSS負荷:0.14kg/日
※蓄積していた油脂分(難分解性SS分)の分解が進み、MLSS値低下及び汚泥内への蓄積油脂分の改善が確認できる
電気代削減結果
40kwブロワー1台、18kwブロワー2台で酸素供給していましたが、酸素供給量計算により、18kwブロワー2台の運転で充分な酸素供給だと判断しました。40kwブロワー1ヶ月の稼働電気代:40kw×14円×24h×30日=¥403,200、40kwブロワー年間の稼働電気代:¥403,200×12ヶ月=¥4,838,400。よって、年間4,838,400円の電気代の削減を達成。さらに流入負荷に見合った酸素供給量となりました。
注釈
- 流入水基質、設備状況による処理能力や、運転方法操作変更の有無で効果は異なります。
- 季節毎の水温による処理能力変化、製造品目の変更等によっても、効果は異なります。
※施設状況、流入水基質を把握した上で、各排水処理場毎の最善なご提案をいたします。ご提案における水質分析、顕微鏡観察など、無償にて実施しています。お気軽にご相談ください。
導入製品
SANA-WN-EX
油脂分解酵素リパーゼと、リパーゼを多く産出するSANA菌群SANA-EXを主体に、天然腐植物質及び海藻ミネラル等を特殊配合し、特に油脂分解能力を強化した水処理剤です。投入量が多いほど、菌数が増殖し、油脂分解が促進されます。排水処理現場に合わせた具体的な使用量は、サナ営業員にご相談ください。
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