• サナ通信
  • 2019.11.22

サナ通信 Vol.22 脱水ケーキの含水率を上げている要因は?

脱水ケーキの含水率を上げている要因は?

現在、有機性の排水を処理するにあたり、『活性汚泥法』が主流になっていますが、発生する汚泥量が多い分、その処分費が問題となっています。通常、脱水ケーキの含水率は85%程度と言われていますが、含水率によって脱水ケーキの産廃処分量が大幅に変わる為、含水率は日々気にかけていると思います。ただ、元々有機性の汚泥は水と親和性が高い有機物を多く含み、粒子径や形状もさまざまなため、圧縮しにくい傾向にあります。その上、脱水効率は脱水機の性能、凝集剤との相性だけでなく、汚泥の質によっても変化します。今回はそんな脱水ケーキの含水率ついて考えていきたいと思います。

含水率が下がると…?

含水率92%の脱水ケーキを100㎏日搬出していたところ、含水率を2%下げる事によって下記の違いがでます。

92%の場合⇨乾燥汚泥8kg+水9kg=脱水ケーキ量100kg

90%に減らした場合⇨乾燥汚泥8kg+水72kg=脱水ケーキ量80kg

2%含水率を下げる事によって20㎏の削減!

含水率を上げている原因は

1.フロックが細かく圧密性のない汚泥 2.糸状菌が発生している汚泥
汚泥の粒子径が小さい程、水との親和性が増し、脱水効率が下がる傾向にあります。

対策)凝集性のある汚泥生成を目的とし、活性汚泥栄養剤にてフロック形成を促します。

汚泥フロック間を糸状菌が架橋し、汚泥が膨化している事によって含水率が上がってしまいます。

対策)糸状菌のタイプを判別し、運転操作及び糸状菌対策剤にて糸状菌の駆逐を図ります。

3.未処理傾向の汚泥 4.その他
水と親和性が高い有機物を多く含んでいるため、脱水効率が低下します。

対策)未処理の場合、微生物製剤にて処理促進を図ります。

脱水機の性能の問題、凝集剤の問題、加圧浮上のスカム混入等

対策)脱水機、凝集剤の再選定、スカム処理の検討等をおこないます。

脱水ケーキの含水率が変動する理由はさまざまです。まずは現状の把握をおこない、その施設に合った対処方法を提案させていただきます。運転管理のアドバイスをはじめ、水処理トラブルの薬剤提案まで、幅広い対応が可能です。経験豊富な現場スタッフがご相談、現場調査、汚泥分析など無料にて対応させていただきますので、お気軽にご連絡ください。