• サナ通信
  • 2019.09.02

サナ通信 Vol.21 汚泥の粘性について

汚泥の粘性について

汚泥の粘性が上昇すると...

粘性を帯びた汚泥は、親水性で保水性が高く、水と安定化しやすい為、汚泥の沈降性や濃縮性が著しく低下する傾向にあります。これを粘性バルキングと呼び、糸状性バルキングと同様、活性汚泥の流出や返送汚泥・濃縮汚泥の低濃度化が進行し、管理に支障が生じます。

粘度が上昇する原因は?

1.MLSSが高い

汚泥濃度が上がり、それが汚泥の粘性に繋がっているケース。各現場によってMLSSの適正値はさまざまですが、標準活性汚泥法の場合、2000〜4000mg/Lが標準値です。

対策)BOD/MLSS負荷計算よりMLSSの適正値を求め、これに近づくよう調整します。

2.高BOD負荷

BOD過多になる事によって、微生物の増殖が過剰に行われ、その分解過程に生成された細胞外高分子物質が汚泥の粘性上昇原因となっているケース。栄養の偏りもこれを助長します。

対策)特定の菌の増殖が起こるとともに、BODが残留している状況なので、微生物活性剤と栄養の偏りを整え、菌の多様性とBOD分解を促進します。

3.油脂の混入

大量の油脂が混入、汚泥が吸着することによって、汚泥が膨化する事が原因となるケース。

対策)油脂分解剤によって油脂を前処理し、汚泥吸着油脂の分解を促進します。

4.異物・毒物等の混入

毒物が混入する事によって、微生物の細胞外高分子物質の生成が過剰におこなわれ、これが汚泥の粘性に繋がっているケース。

対策)シーディング剤を投入し、異物・毒物によって減滅した菌を補うとともに、新しく菌を育てます。

諸問題同様、汚泥の粘性上昇理由はさまざまです。まずは現状の把握を行い、その施設に合った対処方法をご提案させていただきます。運転管理のアドバイスをはじめ、水処理トラブルの薬剤提案まで、幅広い対応が可能です。現場スタッフがご相談、現場調査、汚泥分析など無料にてご対応させていただきますので、お気軽にご連絡ください。