• サナ通信
  • 2018.02.15

サナ通信 Vol.16 MLSS測定器の測定原理

MLSS測定器の測定原理

MLSS測定器と手分析の測定方法の違いについて改めて学ぼう!

汚泥濃度を現場で手軽に測定できる『MLSS測定器』、分析センター等で測定する『手分析』、両者で測定した際にMLSS濃度の測定値が違った経験ありませんか?「どちらを目安にしたらよいのだろう?」「MLSS計って必要なの?」こんな疑問を持った方も少なくないはずです。そんな経験がある方に向けて、今回は、MLSSの測定方法について改めて考えていきたいと思います。

MLSS測定器と手分析の比較

手分析では汚泥をろ過もしくは遠心分離を行ったものを加熱乾固し重量を測定します。MLSS計は、光源から受光部に向かって出た光が、光源と受光部の間にある浮遊物質によって遮断される光の量でMLSSを算出します。この時、対象汚泥の性質によって遮断される光の量が異なるので、MLSS計にはいくつかの換算モードや手分析値校正が備えられています。

測定種類 MLSS測定器 手分析重量測定
分析方法 透過光方式 ガラス繊維ろ紙法
遠心分離法
測定対象 吸光度 重量
メリット 測定結果が即時に分かる 正確な数値が出る
デメリット 汚泥の色、汚泥粒子の比重などによって手分析との差異が発生しその差異の度合いも異なる 測定に時間がかかる

現場でのMLSS計使用方法

  1. はじめに測定対象汚泥をMLSS計のすべての換算モードで測定し、同じ汚泥を手分析にかけてください。この時の手分析の値と一番近い換算モードを選び、当面はそのモードで測定をしてください。手分析値で校正できる機種は校正して下さい。(手分析とMLSS計の値の相関を取ってMLSS計の示す値から手分析値を推定できるようにしておきましょう
  2. MLSS計による測定を日々行い、その変化を知り、余剰汚泥の引き抜きの目安や、異変の察知などに活用してください。
  3. MLSS計を沈殿槽に沈めていくと、汚泥界面の水深を知ることもできます。

日々の管理に便利な『MLSS測定器』、正確な測定値が出る『手分析』。両者にメリットがあり、デメリットがあります。その為、時と場合によって使い分けが必要です。このようなアドバイスをはじめ、水処理トラブルの薬剤提案まで、幅広い対応が可能です。まずはお気軽にご連絡ください。現場スタッフがご相談、現場調査、汚泥分析など親身に対応させていただきます。