某食品工場 排水処理施設(菓子製造工場)

油脂分流入による油脂対策、産廃代削減事例

  • 排水対策
油脂分流入による油脂対策、産廃代削減事例

施設概要

現状

流入量:80m3/日
曝気槽容積:800m3(標準活性汚泥方式)300m3処理槽、500m3未使用槽
流入BOD値:平均4,300mg/L(前処理設備なし)
流入n-ヘキサン値:平均300~400mg/L

水質分析

分析項目 最終曝気槽
pH 6.0
n-ヘキサン(mg/L) 390
MLSS(mg/L) 9400
MLVSS(mg/L) 8800

汚泥内n-ヘキサン値:4.1%(1%未満が標準値)
BOD・MLSS負荷:0.12kg/kg・日

※BOD分解は良くできているが、油脂分の蓄積が確認できる状態
※PHが酸性につき、油脂蓄積での低級脂肪酸によるPH低下が疑われる

対策

汚泥内n-ヘキサン値が標準値を超えているので、油脂分解促進剤『SANA 油トールA』で、流入n-ヘキサン(油脂)対策をおこないました。

投入量

初回1~4日目:曝気槽容積に対して100ppm/日(300m3×100ppm×4日間=120㎏/日)
5日目以降:流入量に対して40ppm(80m3×40ppm=3.2kg/日)

※初回1~4日目は、曝気槽内蓄積油脂分の分解促進、5日目以降は、流入n-ヘキサン対策としての継続添加を推奨します。

結果

水質分析結果

対策前

油脂対策前_1

フロック全体像40倍:
フロックの周りがぼやけている。シーエリア(フロックとフロックの間の処理水になる部分)に微細フロックが多い状態。

対策後

油脂対策後_1

フロック全体像40倍:
フロックの凝集性向上、シーエリアの微細フロックが綺麗な状態。

油脂対策前_2

フィロディナ:
BOD処理良好且つ低負荷、曝気槽滞留時間の長い環境下で出現。

油脂対策後_2

ロタリア:
BOD処理良好且つ低負荷、曝気槽滞留時間の長い環境下で出現。

プロロドン:
低負荷の環境下で出現。

分析項目 最終曝気槽
pH 6.0
n-ヘキサン(mg/L) 390
MLSS(mg/L) 9400
MLVSS(mg/L) 8800
分析項目 最終曝気槽
pH 7.3
n-ヘキサン(mg/L) 25
MLSS(mg/L) 9200
MLVSS(mg/L) 8700
  • 汚泥内n-ヘキサン値:4.1%(1%未満が標準値)
  • BOD・MLSS負荷:0.12kg/kg・日

※BOD分解は良くできているが、油脂分の蓄積が確認できる状態
※PHが酸性につき、油脂蓄積での低級脂肪酸によるPH低下が疑われる

  • 汚泥内n-ヘキサン値:0.27%(1%未満が標準値)
  • BOD・MLSS負荷:0.12kg/kg・日

※蓄積していた油脂分(難分解性SS分)の分解が進み、MLSS値低下及び汚泥内への蓄積油脂分の改善が確認できる。
※蓄積油脂分分解が進んだことから、PHが上昇傾向に改善されている

油脂対策後の産廃代削減結果

未使用の500m3曝気槽を自己消化槽として使用。常時曝気を行い、1週間に1回上澄み水を放流、空いたスペースに300m3処理槽の汚泥を投入。

脱水ケーキ産廃費用(現状)

脱水ケーキの産廃費用は月平均で約320,000円なので、年間の産廃代は約3,840,000円かかっていました。

油トールの使用量

油脂分流入による油脂対策に『SANA 油トールA』を導入しました。使用金額は200kg/ドラム缶での単価で計算しています。初回の1ヶ月は曝気槽内蓄積油脂分の分解促進のため、多量の添加となっているのですが、初年の年間使用額は約2,518,400円でした。

年間の経費削減額

油脂対策_グラフ

以上の結果から、年間の経費削減額は約1,321,600円となり、大幅な経費削減達成となりました。

注釈

  • 流入水基質、設備状況による処理能力や、運転方法操作変更の有無で効果は異なります。
  • 季節毎の水温による処理能力変化、製造品目の変更等によっても、効果は異なります。

※施設状況、流入水基質を把握した上で、各排水処理場毎の最善なご提案をいたします。ご提案における水質分析、顕微鏡観察など、無償にて実施しています。お気軽にご相談ください。

導入製品

SANA-油トール

SANA-油トール

生物処理にかかる油脂負荷を低減させる「強力油脂分解促進剤」です。油脂分(難分解性油脂)は分子が大きく、バクテリアが分解しづらいため、放線菌が発生しやすい環境になりがちです。油トールが油脂分を活性汚泥で処理しやすい易分解性油脂に分解します。

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