料理のさしすせそ

いもなます
という料理をご存知でしょうか?
長野県北部の郷土料理なのですが、初めてこの名前を目にすると
いもって芋?なますってあのなます??いもなます???
となるかと思います。
しかし、いもなますとは名前の通り芋で作るなますのことなのです。
北信地方では冠婚葬祭の料理に用いられます。
おせち料理でお馴染みの紅白なますは大根と人参で作りますが
いもなますはジャガイモと人参で作ります。
(葬儀の際はジャガイモのみです)

なますをジャガイモで作って本当に美味しいの?
と疑問を持たれる方が多いかと思います。
美味しいんです!
是非作ってみてください!
作り方は以下の通りです。

ジャガイモ(中2個)を千切りにし、水にさらします。
水にさらす時間は2時間~1日(!)程度。
こうしてジャガイモのでんぷんを取り除くことによって
なますらしいシャキシャキ感が出ます。

油(大さじ2)を熱したフライパンに、千切りにした人参(中1本)と
水気を切ったジャガイモを入れてジャガイモに透明感が出てくるまで炒めます。

酢(大さじ3)を加えサッと炒め
砂糖(大さじ4)、塩(大さじ1/2)を順に加えてよく絡めるように混ぜ
汁気が少しだけ残る程度まで炒めてできあがりです。

実はこの料理、料理のさしすせそをなぞるとかなりでたらめな作り方となっています。
砂糖、塩、酢、醤油、味噌 の順に味付けをするのが料理の鉄則ですが、
シャキシャキ感を重視することと、酢の味をマイルドにさせるために
酢、砂糖、塩の順で加えるようになっているのです。
更に言うと、酢、塩、砂糖の順に加えた方が
もっとシャキシャキとした歯ごたえになります。

味の染み込み易さ、香りの飛び易さを考慮して決められているのが
料理のさしすせそですが、料理では食感も重要視される要素の一つです。
好みの味や食感になるよう、臨機応変に変えていくことも大事なのかもしれませんね。

今回作ったいもなます、上記にもありますが冠婚葬祭に用いられる料理です。
来年のお正月のおせち料理にいもなますはいかがでしょうか?

研究開発部 青木

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